GAFAとデータ資本の時代

今回のテーマは、GAFAです。GAFA:ガーファと読みます。

GAFAとは、G…… Google A……Apple F…… Facebook  A……Amazon
の頭文字をとった用語です。Googleは情報検索、Appleはデジタルデバイス、FacebookはSNS、Amazonはネットショップと、おのおのの分野で市場を席巻している企業です。

 2018年3月末段階の「世界時価総額ランキング(注)」によると、1位はApple、2位はAlphabet(Google)、4位Amazon、8位Facebookという順位でした。これらの企業に共通しているのは、「情報活用において主導権を握っている」という点です。

 ちなみに、10年前の2007年5月末時点では、1位はエクソンモービル、2位はGE、3位マイクロソフト、4位シティグループでした。この10年で「時価総額の上位は、資源・銀行からIT勢に」(日本経済新聞)との変化が進んでいます。

 このように、ビッグデータ、AI(人工知能)という用語とともに、大量のデータを保持している企業へ注目が集まっています。GAFAと呼ばれるIT企業への注目は、これらの企業が保持している情報の価値に対する注目に他なりません。

■ 産業の情報化からIT革命へ

 情報に価値があることは、コンピュータ黎明期から認識されていました。その現象は、「産業の情報化」と呼ばれました。材料や労働力などに加えて、情報が生産要素に占める割合が増加していることを意味していました。
 また、情報が第4の経営資源であるとの見解も一般的になり、「他社が持っていない情報を保持していることが競争優位につながる」と理解されるようになりました。
 インターネットが登場すると新産業登場への期待が高まり、「IT革命」という用語も生まれました。

 このように、企業活動の中での情報は、その効果的な収集と活用が経営の革新と新事業創出につながるとみられてきました。

 ところが、GAFAが保持しているデータは、従来の企業活動の中での「情報」とかなり様相が異なっています。

■ データが資本となる時代

 GAFAと呼ばれる企業群は、単なるIT企業ではなく、大量のデータを収集しその活用において主導権をとっている企業です。保持している大量データが新たな価値を生み出す源泉と認識されているのです。「データは新たな石油」(インテルCEO)なのです。
 GAFAが保持する大量データは、新たな成長に向けた資本に他なりません。

 これは、新たな「情報資本主義の時代」ととらえることができます。情報資本主義とは「産業構造において広義の情報産業が中核を占めるという」意味で捉えられてきました。「その基幹商品が知的所有権に保護された情報商品となるだけでなく、競争力の源泉もまた市場や技術の変化を迅速に捉え、それを適切な意思決定と行動に結びつける組織内部の情報の収集・処理能力に求められる。」という内容です。

 情報資本主義という用語は1980年代に登場した用語でしたが、今日、新たな意味を付与されてよみがえっています。

<参考文献>
・MIT Technology Review,”The Rise of Data Capital”,2016
・貫隆夫「情報資本主義時代の経営学」(經營學論集:1997)
<注>
・世界時価総額ランキング
 http://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm

https://www.itc-kyoto.jp/2018/05/07/gafaとデータ資本の時代-藤原-正樹/
より引用